本ページには広告リンクが含まれています

犬のリカバリーウェアには2種類ある|術後服と機能性犬服の違い

犬のリカバリーウェア 2つの違い

リカバリーウェア」(リカバリードッグウェア)と聞くと、「手術後に着せる術後」を思い浮かべる人もいれば、「着るだけで休養をサポートする機能性犬服」をイメージする人もいるかもしれません。

実は犬のリカバリーウェアという言葉は、2つの意味で使われています。

現在、犬のリカバリーウェアと呼ばれているものには、

 ・術後にキズを舐めないようにする「術後服タイプ」
・素材に加工を施し、愛犬にとって心地よい環境をサポートする「機能性犬服タイプ」


2種類があります。

実際に「犬 リカバリーウェア」と検索してみると「術後服」と「機能性犬服」が混在して検索結果に出てきます。

どちらも「リカバリー」という言葉が使われていますが、 目的や成り立ちは大きく異なります。また「術後服タイプ」「機能性犬服タイプ」どちらもリカバリーという言葉から連想する治療を目的とした医療機器ではありません

この記事では、 犬のリカバリーウェアが生まれた背景や2種類の違いを整理しながら、
愛犬に合ったウェアを選ぶためのポイントを、できるだけわかりやすく解説します。

それぞれの代表的なリカバリーウェアのご紹介をしていますので、参考にしてください。

犬のリカバリーウェアとは?

ペキニーズ

「犬のリカバリーウェア」という言葉は、最近見かけるようになりました。しかし、この言葉は一つの意味に限定されておらず、異なる目的のウェアをまとめて指して使われています。

リカバリー=治療・回復と誤解されやすい表現ですが、犬用の場合は治療行為を行うものではありません

まずは、治療ではなく、犬との生活をサポートする服という意味合いだということをおさえておきましょう。

犬のリカバリーウェアには2種類ある

犬のリカバリーウェア 2つの違い

現在「犬のリカバリーウェア」と呼ばれているものには、大きく分けて次の2種類があります。

  • 術後服タイプ(キズ舐め防止などの保護目的)
  • 素材加工型タイプ(着心地や快適な環境をサポート)

同じ呼び方でも、目的も背景もまったく異なります。混同したまま選んでしまうと、期待と実際の使用感にズレが生じるため注意が必要です。

1) 術後服タイプのリカバリーウェアとは

術後服タイプは、犬のリカバリーウェアとしてもっとも早く普及した形です。

主な目的は、手術後のキズを犬が舐めたり掻いたりするのを防ぐこと。手術後、動物病院から退院時につけられる「エリザベスカラー」の代替として使われることも多く、物理的に患部を守る役割を果たします。

エリザベスカラー

術後服タイプのリカバリーウェアの特徴

術後服は手術後に犬が傷口をなめたり、かき壊したりしないようにキズを保護する目的で着させる犬服です。

もともとエリザベスカラーと呼ばれる首回りに装着する保護具を手術後につけられていたのですが、エリザベスカラーは犬にとってストレスになっていることが多く、エリザベスカラーに変わって術後服を着させる飼い主さんが増えました。動物病院も術後服をすすめるところもあります。

  • 目的は基本、術後の一定期間着用すること
  • 手術後などのキズの保護が主目的
  • 動物病院でもすすめられることが多い

注意点

術後服はできるだけ愛犬のサイズにピッタリ合うものを選び、手術の前に何度か着用させて慣らしておくことが大切です。

  • サイズや素材(通気性)選びが重要
  • 脱ぎ履きやオムツ替えなど、飼い主にとってもケアしやすいものを選ぶ

2)機能性犬服 (素材加工型)リカバリーウェアとは

機能性犬服(素材加工型)のリカバリーウェアは、比較的新しく登場したタイプです。

このタイプは、人用のリカバリーウェアとして開発された機能性素材をベースにしており、繊維にセラミックや鉱石などを練り込んだ生地が使われているものです。

 

人用では「休養をサポートする」「着心地を重視する」といった文脈で広まり、その後、犬服にも転用される形で展開されていると考えられます。

機能性犬服 (素材加工型) リカバリーウェアの特徴

素材加工型リカバリーウェアは人のリカバリーウェアを販売しているベネクスの素材を採用している「LAUW」や「ALPHAICON」、特許取得機能素材スパオールを採用した「あーるけーるワン」 ペットウェアなどがあります。

いずれも治療を目的としたものではなく、日常の休息をサポートするものです。

  • 日常使い・休養時を想定
  • 着心地や環境サポートが目的
  • 治療を目的としたものではない

犬のリカバリーウェアは医療機器なの?

結論から言うと、一般的に販売されている犬のリカバリーウェアは動物用医療機器には該当しません

医療機器とは、治療・診断を目的として法的な手続きを行ったものということです。犬用リカバリーウェアは、「術後服タイプ」「機能性犬服タイプ」どちらののタイプも治療目的ではなく、区分としてはペット服ペット用品となります。

本記事では、誤解を避けるため、メーカーに直接確認を行いました。

リカバリーウェア「機能性犬服タイプ」主要メーカー3社を比較

メーカー

区分

医療機器該当

メーカー回答要約

ALPHAICON

ペット服

該当せず

治療目的ではない

愛犬にとって心地よい環境をサポートすることが期待されるウェア

RKLwan  

あーるけーるワン

ペット服

該当せず

ペットの健康寿命をサポートすることが期待されるウェア

IDOG & ICAT

unage」(アンエイジ)

ペット用品

該当せず

愛犬の健康を多角的にサポートすることが期待されるウェア

※回答内容は各社への確認に基づいています。

(「LAUW」については返信待ち)

メーカー回答からわかった共通点

3社すべてに共通していたのは、以下の点です。

  • 治療を目的とした製品ではない
  • 動物用医療機器には該当しない
  • 区分はペット服やペット用品である

「リカバリー」という言葉は使われていますが、法的な意味での医療機器とは明確に異なります。

目的別 犬のリカバリーウェアの選び方

術後ケアが目的の場合

避妊手術の術後など、愛犬のかき壊しを予防したい場合は術後服を選びましょう。

手術の少し前から術後服に慣らせておくことが大切です。また、動物病院に相談すると退院時に術後服を着させて返してもらえることもありますので、事前に相談しましょう。

  • 術後服タイプ
  • 獣医師の指示を優先

👉術後服タイプのリカバリーウェア

 参考価格(Sサイズ)備考
フルオブビガー 術後服3,190円術後の快適さ、お世話のしやすさを追求した術後服

日常の快適さを重視する場合

老犬の元気が徐々に低下してきた、愛犬が神経質でゆったり寝ない、しっかり休ませたいという場合には機能性素材加工タイプのリカバリーウェアを選びましょう。

  • 素材加工型タイプ
  • サイズと着心地を重視

👉素材加工タイプの犬のリカバリーウェア

素材加工タイプのリカバリーウェアの主な商品をご紹介します。

 参考価格 (Sサイズ)特徴
ALPHAICON10,340円ベネクス生地を採用 配色ステッチなどスポーティーなデザイン
LAUW16,500円ベネクス公式コラボ 室内での休養を重視
あーるけーるワン5,280円健康寿命をサポート 特許高機能素材スパオール採用
IDOG & ICATunage」(アンエイジ)4,070円機能性素材を使ったシニア向けサポート犬服

 

症状がある場合は、ウェアに頼らず必ず獣医師に相談することをおすすめします。

犬のリカバリーウェアは医療機器じゃないなら意味ないの?

 医療機器じゃないってことは、着せても意味はないのでしょうか?

素材加工タイプの犬のリカバリーウェア意味がない、ということはありません。
ただし、できることの範囲が違うと考えるのが大切です。

リカバリーウェアと呼ばれている犬服の多くは、
動物用医療機器ではなく、あくまでペット用品(犬服)です。
そのため、病気を治したり、ケガを回復させたりする目的のものではありません。

一方で、

・肌ざわりがやさしい
・体を締めつけにくい
・落ち着いて過ごしやすい

といった点から、日常生活を快適にサポートするという役割は期待できます。

「リカバリー」という名前なのに、回復しないの?

小型犬

「リカバリー」という言葉は、 正式な医療区分ではなく、イメージ的に使われている名称です。

メーカーによっては、
「心地よい環境をサポートする」
「リラックスしやすい着心地」
といった意味合いで使われています。

そのため、
治療効果や医学的な回復を保証するものではない
という点は、あらかじめ理解しておきましょう。

まとめ ~意味の違いを理解して愛犬に合ったウェアを選ぼう~

犬集合

「犬のリカバリーウェア」と聞くと、なんとなく着るだけで体が回復しそう、治療の代わりになりそうと感じる方も多いかもしれません。

でも実は、犬のリカバリーウェアにはいくつかの意味が混ざって使われているのが現状です。

ひとつは、手術後にキズを舐めないようにするための「術後服」。
もうひとつは、素材や着心地に工夫をした、愛犬が「快適に過ごすことをサポートする犬服」です。

最近よく見かける「リカバリーウェア」という名前の犬服は、
人用の機能性ウェアとして開発された生地が使われていることもありますが、
治療や回復を目的とした医療機器ではありません。

医療機器でないから意味がないということはなく、日常の生活をより快適に過ごすサポートが期待できる犬服ということです。

大切なのは、
「このウェアは、何のために作られているのか?」
を飼い主さんが知ったうえで選ぶことです。

術後のケアが必要なときは術後服を。
日常生活をより快適にしたいときは機能性犬服を。

それぞれの役割を理解して選ぶと術後のケアや老犬介護が楽になり、
愛犬にとっても、飼い主さんにとっても安心して過ごせることが期待できます。

関連記事