ハナはアメリカのカリフォルニア州から連れて帰ってきたワン子でした。
かれこれ17年前になります。
アメリカ独立記念日の次の日、2003年7月5日、飛行機で13時間の長旅の末
、関西国際空港に降り立ったのでした。
カリフォルニアで生まれてから日本へ引越しが決まるまで
当時の話、ちょっと面白いので、思い出しながら書いてみます。
ハナは2002年10月6日生まれ、カリフォルニアのブリーダーさん宅で生ま
れ12月末に当時カリフォルニアのサンノゼ地区に住んでいた我が家にやっ
てきました。
もともと、臆病な性格で、外に出しても一歩も歩こうとしない子犬でした
。
当時のハナは暗いクレートの中が大好きで、何かびっくりすることがあっ
たらすぐにクレートの中に入って出てこなくなってしまう性格でした。
カリフォルニアの生活が長いだろうと予測して犬を飼い始めたのですが、
主人の日本への転勤が予想よりも早くなり、ハナは生後9ヶ月ほどで、カ
リフォルニアから日本へ来ることになってしまいました。
日本の動物検疫の制度とハナの入国対策
動物検疫は犬が感染症(主に狂犬病)を持っていないかを確認した後に入
国させる制度です。
(*もちろん、狂犬病以外の病気もチェックします。 *現在はマイクロ
チップを犬の体内に入れ、予防接種の情報を入れておけば、検疫所に入れ
られることもなく、入国できるようになりました。)
17年前は狂犬病の予防注射をしていても、必ず3週間以上、空港の検疫所
預かりでした。
ハナは耐えられないだろうと思いました。
そこで、帰国する空港である関西国際空港の検疫官に問い合わせしました。
私自身「愛玩動物飼養管理士一級」の資格を持っていて、知識があるということは検疫官との交渉にも好印象だったように思えます。
何度か連絡を取り、状況をお知らせした後、 検疫官からの提案は
「自宅の一室を検疫所に見立て、そこから出さないという条件のもと、飼い主が健康状態報告書を検疫所に提出するという方法」 でした。
自宅といっても、未だ日本の家は無く、私の実家の一室、かつての”私の勉強部屋”が”仮の検疫所”となりました。
帰国前に関西国際空港の検疫官の方が実家に下見に来られ、実家の父、母が対応してくれました。
ハナのために渡航に必要な書類として、アメリカの獣医師の証明、内容はワクチン、狂犬病予防接種、避妊手術を済ませたこと、そして、獣医師に特別に以下のコメントを書いてもらいました。
獣医師のコメント↓
「この犬は非常に神経質な性格で、検疫所に長期滞在させることは、健康に支障をきたす恐れがあります」という内容のものです、後にこのコメントが非常に役に立つ場面が訪れました。
出発当日、空港カウンターでハプニング
いよいよ、アメリカカリフォルニア州から日本へ帰国する飛行機に乗る日です。
飛行機に乗るにあたって、出発日まで、の状況はー
1)たまったマイレッジを使ってノーマル座席からビジネスかファーストにアップグレードしておきたかったのですが、旅行会社からの連絡が無く、そのままの状態。
2)ハナは体高が高く、小型犬としては大きめのクレートでした。
一般の座席では飼い主と同じキャビンには乗せてもらえないサイズ。
飛行機会社のチェックが甘く、キャビンに余裕があって乗せてもらえれば良いけれど。 おそらく、荷物のスペースだろうなぁ~と予測していました。
ハナはクレートに入れ、空港のボーディングチケット発行、手荷物預かりのカウンターで、ハプニングです。
カウンターの係員曰く
「犬のクレートは4方向空気の通る穴が開いていなければ、カーゴルーム(荷物室)に入れられません」
ハナのクレートは前面、と側面2面、つまり3面しか空いていませんでした。
どうゆうこと?
チケットをとった旅行社からは3方空いていればいいって、ファックスもらっていたのに!
そして、空港係員は
「今から、器具でクレートに穴をあけていきます」と言うのです。
って、ハナがクレートに入っているんですけど!!!!!!!
そのまま係員の言うとおりにしていると、ハナは具合がわるくなってしま
いそうでした。
「ちょっと、待って!」私に火がつきました。
「 コチラの旅行会社ではクレートは3面空気の通る穴が開いていればよいって書いてあるでしょ。 この犬は9ヶ月の未だ子犬で、特別神経質で怖がりな犬で、獣医師かあらもコメントをもらっているの。それに旅行社からはマイレッジのアップグレードの連絡も無く、待っている状態だったのよーーーーー」
(この時点で、夫は私よりも二歩後ろに下がった状態になっていました。)
と、旅行会社のファックス、自宅検疫用に書いてもらった獣医さんのコメントの入った健康証明書、マイレッジの残を見せました。
結構なすごい剣幕だったと思います。
だって、愛犬家の皆さんだったらわかりますよね。
すると、空港係員はなにやら電話で飛行機内のクルーと話しをし、また、違うところに何回も電話をしてくれました。
そして、提示されたのが、私たちの座席をアップグレードをし、ハナのクレートも私たちと同じキャビンに乗せてくれるというものでした。
ただ、料金を500ドル追加で払えばとのことでした。
私の剣幕があまりにすごかったのでしょう。
夫は、すぐにOK。
無事、ビジネスクラスに2人と1匹が乗り込むことに成功しました。
このやりとり、約20分。
空港カウンターの私たちの後ろには長蛇の列が出来ていました。
この空港職員の融通の利かせ方、個人の裁量でいろんなことをするアメリカならではの対応。
日本や他の国ではもしかしたら、無いかもしれませんね。
キャビンではVIP待遇!?
クレートとともに飛行機のキャビン内に入ると、キャビンアテンダントが3名ほど集まってきて「待っていたわ、この子ね大丈夫よ座席のそばのスペースにおいてあげるわね」「なんてかわいいんでしょう」「私も犬が大好きよ、大変だったわね」と口々に盛り上がって世話をしてくれました。
クレートのおき場所も確保していて、特別扱い!
クレートもキャビンアテンダントが持ってくれるし、気遣いがすごすぎて、ついていけないほどでした。
関西国際空港から実家まで
機内は快適に過ごせ、日本に帰国、関西国際空港では検疫官への連絡は出来ており、空港から実家の部屋に入るまではクレートから出さないという約束のもと空港で止められることなく、無事に兵庫県の実家へ到着することが出来ました。
とりあえず、めでたし、めでたし。
ここからハナの日本での生活が始まったのでした。